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【特許】「2025台欧生成AIシンポジウム」:生成AIの潮流における知的財産権の課題と対応策 2025/03/26

ソース:https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-1001195-94084-1.html

「2025台欧生成AIシンポジウム」は2025年3月25日(火)午後、台湾大学法律学院霖澤館にて開催され、経済部智慧財産局の廖承威・局長、欧州経貿弁事処(European Economic and Trade Office in Taiwan, EETOT)のLutz Güllner処長が貴賓挨拶を行った。

今回のAIシンポジウムでは人工知能(AI)と著作権が関わる問題に焦点が当てられ、台湾と欧州から官民の専門家が講師として招聘された。最初のセッションでは、欧州委員会通商総局の政策担当官であるAnneli Andresson政策官から、EUの「デジタル単一市場指令(DSM指令)」におけるデータマイニングの例外と、「AI法」における著作権関連の規定が紹介された。このほど可決された「AI法」では、汎用AIのプロバイダーに対し、EUの著作権法を遵守するためのポリシーを策定し、モデルトレーニングデータの概要開示を義務付けている。講師のプレゼンテーションの中で、現在AIオフィスで制定している概要テンプレート及びその関連原則、構造、テンプレートに対するさまざまなステークホルダーの意見が共有された。

第2セッションの講師は本局著作権組の高嘉鴻・科長で、生成AIと著作権の議題について、国際法規と実務動向について情報共有した。高嘉鴻・科長は、現在、世界ではまだ生成AIに特化した著作権法改正は行われておらず、AI業者がトレーニングデータの合法許諾を求める事例があることを説明し、さらに、知的財産は高度な国際調和が図られるものであるところ、AI と著作権の法制度には幅広い論点があり、著作権者の利益の保護とAI産業発展のバランスをどう取るかについては慎重な対応が必要であると指摘し、智慧局は引き続き各国の対応や動向を積極的に注視していくと述べた。

第3セッションは、ドイツのAleph Alpha社のAmit Datta副法務顧問が講師を務め、産業界の観点からEUのAI法による法的、実務的影響について議論した。講師はAleph Alpha社の背景、現状と今後の発展について紹介し、生成AI技術と産業応用における成果と戦略を説明するとともに、データマイニングの例外による権利者の「オプトアウト」オプションの運用実務やデータ保護規範とAIモデルとの関係を含むEUのAI関連規制、及び、AIのリスクレベルの監督、汎用AIモデルの義務、法規制の実施スケジュール、関連行為の規則等の「AI法」の要点を分析し、最後に、法規がもたらす影響の可能性について議論した。

第4セッションの講師は国家実験研究院(NARLabs)の樊晉源・組長であり、講演内容は4パートに分かれていた。最初のパートでは、2023年4月に開始した、信頼性の高いAI対話エンジン作成のためのTAIDEプロジェクトが紹介され、TAIDE が取得したトレーニングデータのソースとして政府部門や民間機関が紹介された。2つ目のパートでは、データの多様性、複雑な許諾、著作権のフェアユースの範囲がまだ確定されていない等の、データ収集と処理の際にTAIDE が直面する課題が紹介された。3つ目のパートでは、データのクリーニングとトレーニングについて、データ処理プロセス、データリストの作成、データの匿名化等が紹介された。最後の4つ目のパートでは、主に著作権のフェアユースの余地の有無の観点から、データ利用とモデルのトレーニングにおけるTAIDE プロジェクトの課題を紹介し、政策の方向性について提案がされた。

本シンポジウムは産業界、学術界、法曹界等の各分野から多くの関心を集め、参加者は合計185名であった。会場は満席で、活発な議論がなされた。4名の講師は異なる角度から課題に切り込み、AIと著作権の問題についての参加者の理解を深化させただけでなく、産官学界の交流と対話も促進した。参加者は、AI応用の発展を理解すると同時に、著作権の適切な保護とAIテクノロジーの持続的発展の確保のために関連する法的・実務的課題に積極的に対応する必要があることを理解した。